オーダーメイドの試験機とは?
- 祐也 矢倉
- 7月26日
- 読了時間: 3分
既製品では満たせない要件への答え
製品や部品の性能評価を行う「試験機」。一般的には市販されている汎用品を使用するケースが多いですが、実際の現場では「既製品では対応できない」試験も少なくありません。そうしたケースにおいて検討されるのが、オーダーメイドの試験機です。
本記事では、「オーダーメイドの試験機とは何か」「どんなときに必要になるのか」「導入時の注意点は何か」について解説します。
1. オーダーメイドの試験機とは?
オーダーメイドの試験機とは、特定の製品や材料、部品の個別要件に合わせて一から設計・製作される試験装置のことです。
市販の汎用試験機では対応できない以下のようなニーズに対して、目的・対象物・試験条件に応じて設計されます:
特殊な形状のワークに対する繰り返し荷重試験
使用環境を模した温湿度制御下での耐久試験
独自の規格・社内標準に準拠した動作検証 など
2. どんなときに必要になるのか?
オーダーメイド試験機が必要になる代表的なケースは以下の通りです:
■ 開発品の特性評価
開発初期段階では、まだ市販品が存在せず、標準試験機が適合しないケースが多く見られます。
■ 社内規格やカスタム評価基準への対応
特定顧客向け製品などでは、JISやISOではなく社内基準やOEM規格に基づく試験が求められます。
■ 現場での使用に最適化された装置
量産現場での使用や省スペース化、操作性改善を狙い、装置そのものを現場仕様にカスタマイズする必要があります。
3. オーダーメイド試験機の導入ステップ
導入までの流れは以下の通りです:
要件のすり合わせ(ヒアリング) 試験目的・対象・条件などを明確化します。
仕様の提案・合意 構成・方式・寸法・安全性などを整理し、仕様書を取り交わします。
設計・製作・調整 設計から製作、納品前の試験調整(ファット)までを一括で行います。
納品・現地立ち上げ・操作トレーニング
4. オーダーメイドのメリットと注意点
メリット:
試験精度と再現性の向上
作業効率や安全性の最適化
将来の改造や仕様変更への対応性
注意点:
汎用品に比べてコスト・納期が大きくなりがち
仕様確定後の変更はコスト増や遅延の要因に
製作元との密な連携が必要不可欠
5. GRAFF TESTERS DESIGNでは
当社では、試験目的や現場の声を起点にした設計提案を得意としています。
元メーカーエンジニアによる現場視点の対応と、小規模体制を活かした小回りの利く対応力で、お客様と一緒に“使いやすい試験機”を形にしていきます。
「試験内容は決まっているが、どう形にするか悩んでいる」
「予算や納期に合わせて最適解を見つけたい」
そういったお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
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