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図面レス運用へのチャレンジ

  • 執筆者の写真: 祐也 矢倉
    祐也 矢倉
  • 2023年6月30日
  • 読了時間: 3分

こんにちは、GRAFFです。


話題になっている図面レス化。

実は、meviyのない時代に挑戦したことがあります。




5年ほど前ですがsolidworksにDimXpertと言われる

3Dモデル上への寸法情報付与の機能が実装されたました。

その時にデ〇ソーさんの社内図面レス化の記事を目にしました。


SWで作成した試作品のモデルをsolidworksCAMを使って

そのまま社内のNC加工機にデータを流し込み部品を加工。

組立現場も大きなディスプレイにeDrawingsを使ったViwerでモデルを表示。

完全デジタルでものづくりをされていました。

(記憶が間違っていたらすみません。。)



この図面レスでのミソはデジタルデータのみであること。

2D図面が悪、とまでは言いませんが

せっかく3D-CADを使ってデジタルに設計をしているのに

2D図面を書くことでアナログ化しちゃっているんですね。。

これってめちゃくちゃ無駄じゃない?と思いました。



そこで図面レス、完全デジタル工程で以下の効果を狙いました。

・2D図面作成の設計工数削減

・デジタル→デジタルによるCAM工数削減による部品コストダウン

・組図の3D化による現場からの問い合わせ減



ただ、上記の事例は社内で加工まで一貫しているからできる事例。

加工を外注している場合、ハードルが高い。

でも、挑む価値はある!とmeviyのない時代に図面レスにチャレンジしました。




①業者探し

まずは、solidworksデータで受けることができる加工業者を探します、、、

が、ここがまず大変でした。


普通の加工屋さんは高級な3D-CADなんていらないですよね。

持っている業者さんが当時はほとんどなかったです。今は分からないですが。

行きついたのは社内で設計・組立などの機能を有している大きな加工屋さん。


ここは直接solidworksデータでの受け渡しができました。

が、図面レスでの実績はないとのこと。



②図面レスの取り決め

結論から言うと、ここが難しくプロジェクトは頓挫しました。


2D図面だと、以下のような取り決めが図面上でなされます。

・加工基準

・寸法精度(一般公差も含む)

・幾何公差

・PMI(材質や処理などの情報)

・指示していない場合の注意事項(図枠に記載)など


これを3Dモデルでどう指示するのか。

検図をどうするのか?

仮にCADで見れても、それをどう加工に落とし込むのか。

品質保証での寸法チェックなどをどうするか。

製造現場にどう落とし込むのか。



結局のところ、何かしら紙媒体のものが必要となりました。

というか変なドキュメント作るなら2Dを書いたほうが早いです。


ないしは、3Dで出力後に加工屋さん側で2D化。

これでは手間が増えて、本来狙っていた図面レスの効果が出ない。


ということで、夢見た図面レス化は幻となりました。

現場の組図3D化、これだけはできました。

(ハードルも低いので是非おススメします。)


図面レスって、設計側と加工側の歩み寄りが必要で本当に難しかったんです。





ところが、この夢がmeviyサービスによって実現されました。



meviyのプラットフォームがあることで、取り決めの部分がクリアになっています。

いや、ほんとによく考えたなと思います。



登場してしばらくはコスト面で採用できなかったですが

今は実運用できるレベルにまで迫ってきました。

弊社はめちゃくちゃ使っています。


何なら、meviyが創業の引き金になったともいえます。

(作図工数が激減するならマンパワーなくても設計できると考えた)



meviyに関わらず、図面レスってメリットが多いんですよ。

それが、手間なくしかも無料で使えるサービスで実現できる。

うまく使わない手はないと思います。


もちろん100%使えとは思わないですし、弊社も2D図面はまだまだあります。

それぞれのメリットを理解して、うまく棲み分けすれば

確実に工数削減、コストダウン、生産性アップにつながります。



どうぞ、検討してみてください!






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